TOEFLペーパー式は偉大です!

きっと世代が古いからでしょう。どうもペーパー方式の点数表示の方がしっくりくるんですよね。自分が苦戦苦闘したころの点数がしっかり頭の中にあって、それによると600点近くいけば、海外の大学院レベルだという基準がはっきりわかるんです。

ところがペーパーの後、コンピュータ版、インターネット版と続々と登場し、200点とか、何点とか言っている。これはもう何が何だかわからない世界になっています。噂によると260点ぐらいが昔の600点台らしい。でも、本当にそうなのか、と再確認をうながされるとそうかどうかもわからなくなってしまいます。

そうこうしているうちに、日本人にはコンピュータもインターネットもむずかしすぎるので、今後ペーパー版のTOEFLが実施されるとか。そのほか、非常勤で教えている大学でちょっとした打ち合わせがあったとき、しっかり昔風の点数リストをみな参照しているといった風に、大学の中でも昔風の点数分布に慣れているのです。もちろん、大学は一斉テストなので、ペーパー版によるしか方法がないのでしょうが…

つまり、技術は発展しようと、TOEFLペーパー版はしばらく消えないでしょう!という結論です。消えないどころか、繰り返しになりますが、復活の兆しさえある!これは朗報とも、悲しい現実とも言えましょう。そこまで英語ができないのか日本人!

ジャンルの構成要素

IT英語というジャンルが生まれたのは、このブログの管理者の発案がきっかけだった。元記者だけあって、すばらしいネーミングだと私は感心させられた。しかも「誰も教えてくれなかった」ともある。もちろん、盛んにこのブログでも宣伝している『誰も教えてくれなかったIT英語』(SRC)として成果が発表されることになった。

それまで二番煎じ系でずっとやってきた私にとって、まがりなりにも一番手につけることができた作品の共著者になることができた。実は、その点だけでも、とてもうれしかった。それがまた静かなベストセラーとなったことも喜びを増長した原因となった。

そのときから、「人真似ではない、自分独自のものを」という気持ちが強く湧いている。とても自分独自までいけてないのが残念だが、それでも機会あるごとに、自分を全面的に前に出すように心がけている。ちょうど、これは昨今の研究(論文)が、主語にIやWeを使ってもいいようになってきたのと歩調を合わせているようだ。ちょっとこじ付けかもしれないが、私にはそれが何かしらの形で共通しているような気がしてならない。

ジャンルといえば、表面的な構造面から定義するやり方が圧倒的だろう。言葉の使用上のスタイルの違いがその典型である。でも、ジャンルとは、もっと人を違った方向に動かす力を持った、ある一連の流れとも考えることができる。表面的な構造上の違いなんという、しらじらしいもの以上に、たとえ少なくても、あるまとまった人々を、そのジャンルが目指す方向に運んでいくだけの力を有した考え方や思想。そんなものがジャンルの骨格ではないだろうか。新興宗教も一ジャンルに過ぎないと言えば聞こえは悪いが、何かを信じさせる力を与えてくれるのも、新たなジャンルの創出とあまり変わらないではないか。

肩に力が入りすぎているわりには、他の人にとってとりとめもないこといくら書いてもあまり意味がない。それでは、また。

IT英語の本質

仕事の内容は今も昔もいっしょだ、という話をよく耳にします。昨日話題にしたので新鮮に思っている人もいるでしょう。私がまだとある外資系IT企業で働いていた先輩の言です。そろそろ20年になろうとしており、しかも、技術的には相当な進化を遂げたITではありますが、プロジェクトを切り盛りしているエンジニアにとって、さほど仕事内容は変わらない。

もちろんエンジニアの種類にも寄るでしょう。私の言っているエンジニアは、プロジェクトの管理、運営を担当する、いわゆるプロジェクトマネージャー系のエンジニアの例です。そのほか、プログラミングにかなり近いところにいる人もいれば、ハードウェアの近くで仕事をしているエンジニアもいます。技術は考え方はある一定のパラダイムシフトを経験するのでしょうが、それぞれの分野にいるエンジニアにとっての仕事形態はさほど変化がないように思えます。

となると、やはりIT英語というのも、ある程度の歴史をさかのぼって考える、または、ある程度の期間に渡って進化をとらえ、それを元に、IT英語の核を見出していく必要があると思えます。これをするにはなかなか手間がかかるのですが、そういったことをしようとしているが、いわば英語の検定試験に相当するTOEICとか英検とかいったものなんでしょう。エンジニアでいえば、TOPECがそれにあたります。

でも恐ろしいかな、これまた昨日の繰り返しになりますが、こういった試験を作ったり、ビジネス英語とかいって体系的にまとめようとしている人に限って、ビジネスの知識に欠けているような人が多いんです(自分を含め)。だから、今現役でやっている、今がまさに旬のエンジニアの人にもっともっとIT英語の構築に参加していただきたいのです。

ところが残念なことに、そういった現役のエンジニアは現職が忙しすぎてこのようなプロジェクトには参加できずにいます。これぞ、悪循環も甚だしいですね。とにかく、日本人は仕事をしすぎ。というか、どの世界でも、エンジニアは仕事をしすぎです。そうせざるを得ない面もあるのですが、もうすこし、リラックスして仕事ができないものだろうか。

制御日本語

先週、久々に元職場の先輩の転職にともなう送迎会に参加しました。外資系ITの会社です。外資系というからには、英語を使う必要があるだろうと想像して入ったのですが、毎日の業務ではほとんど日本語。もちろんこれはお客さんが日本企業だからであって、その中でも、英語が昇進の判断基準のひとつであることぐらいでしょうか、外資系であることを真に感じさせたのは。まあ、マニュアルも英語、製品レポートも英語ということはあったものの、それでも、すぐに日本語版が登場するので、英語ができなければ仕事ができない、ほどではありません。

私が自己都合で退職して以来、もちろんIT業界は相当な動きを見せてきました。でも、そういった中で仕事している元先輩、同期、後輩の話を聞いてほっとさせられたのは、「仕事自体は昔とあまり変わらない」という一言です。それを聞いてほっとした反面、忙しい毎日を過ごしていることを聞かされるにつれ、私にはできないと再度思ったわけです。

相当な動きを見せたIT業界ですが、その中でひとつ感じさせられたのは、アウトソースの話です。今やアウトソースは、日本なんてとんでもなく、アジアなんて普通で、アジアを飛び越えて(アジアの一部でしょうが)インドまで行っている。それは話では聞いていても、やはりそれが仕事の一部で動いている様を知るのは別体験をした想いでした。

「中国人と仕事をするのは、かんたんな日本語を使う」。まさに制御日本語ですね。コミュニケーションをとる上で、相手にわかりやすい日本語を話す。でもこれは中国人とだからできるのであって、インド人とだったらこれが英語になるのでしょう。韓国人とでも英語かな。そういった意味では、制御日本語なるコミュニケーション本ができてもおもしろいでしょうね。

ESP

この日記で扱っている「IT英語」ですが、英語教育でいくとESPという分野に位置づけられるようです。ESPとは、English for Specific Purposesのアクロニムで、いろんな分野のジャンルごとに英語の使用を考えようというアプローチです。そう言われると、たしかにうなづくところがあるのですが、今さらながらESPとか言われても「で、どうなんですか?」と聞き返すのがやっとです。書き物をみても、当然と言えば当然のことが半体系的に述べられているだけで、「私のクラスではこうやっています」式の論文なのか、実践報告風のものが多くなっています。

何が言いたいのか。つまりは、今実際にやっている人たちに「どんなもんですか?」と聞くのが一番なんだけど、それをしてるのだろうか、といった批判めいたもの半分、そして、過去実際にやったことがある人が自分なりに体系化している努力を惜しんでいるのではないか、という、もったいない気持ちが半分です。ビジネス系の経験を持っていれば、最近ならほぼ確実に大学で教えられるようになってきましたし、これからはどんどん増えるので、商学部とか経営学部といった学部の教員は大変になるでしょうね。なんでかって、大学の先生はほとんど実務経験がない人ばかりなので、「実際どうなの?」という疑問に素直に答えられない人が大半を占めているからです。もちろん、時代が変われば、違った経験を持った人を採用するようになるので、今後はどんどん変わっていきます。

ふとここまで書いて「ひょっとすると、ESPはすでに過去にネタにしたかも・・・」との疑問が頭をよぎったのですが、まあ、そこはテレビでも再放送があるように、日記にも再々放送があってもよかんべえ、ということにしておきましょう。

ITコーパス君 - bother

最近仕事マシンを新調しました。最近視力が芳しくなく、眼科の先生によるとaging(老化)とのこと。老眼とはまたちがうのですが、視界にぼけたスポットが出始め(特に左目)、これが視力を低下させることになっています。ぼけスポットが見たいものに重なると何も見えませんが、スポットがすっとずれたら即見えるのです。つまり、視力そのものが低下したというよりは、ぼけスポットが増えたということでしょうか。まあ原因はともかく視力はぼろぼろであることには違いありません。そこで、12インチスクリーンではもう対処しきれず、14インチに新調したということです。ところが、熟考した末にワイドスクリーンにしましたが、みごと裏切られました。結局ワイドというのは縦の解像度を犠牲にしているだけで、決して全体的に大きくなっているわけでは必ずしもありません。特に最近のOfficeはリボンバーがものすごい領域を使っているので、縦のスペースがなくなるというのは辛い・・・。まあそれでも12インチよりはまだ見やすいですがね。
さて、そのぼけスポットは私にとって本当にbotheringなものです。botherというのは「迷惑をかける」、「わざわざ何かをさせる」という意味です。「骨折り」というニュアンスがぴったりで、よく「ご迷惑をおかけしますが・・・」という日本語の表現を強引に英語にしようとすると登場する単語でもあります。
When we add items to the list, we don't bother calling the control methods.(リストにアイテムを追加する際には、わざわざコントロールのメソッドを呼び込む必要はありません)
「わざわざ〜する」と読めばすんなり理解できます。ところが、ちょっと転ずるとよく言う表現につなげることもできます。
Don't bother!
と言えば、「わざわざそんなことする必要ないよ」ということですが、「そんなこと、どうだっていいじゃないか」ということにもなります。他人がなにかをやろうとしているときに、「そんなことどうだっていいから!」と言う時は、単にDon't worry about it.とういうより、Don't bother.といったほうがニュアンスが強まります。一方、自分がやろうとしていることに対して「どうだっていいから、やらない」という場合は、
I woudn't bother.
といえばいいです。
部下:Chief? Should I rebuild the whole project now? (ボス、プロジェクト全体を再度ビルドしますか?)
上司:I wouldnt' bother.(いいよ、そんなの)
別な表現でいくらでも言えることばかりですが、bother一つで広がりが出てきますので、覚えておくと便利です。

最新 - 英語プレゼン

さすがにきょうはぐったり。1週間の社内イベントで技術的な内容に関する50分のプレゼンをしました。まあこれだけならいつもの話ですが、テーマが包括的だったためにものすごい数のスライドとなったわけです。しかも前日まで気がつかなかったという信じられない状況。3週間前にスライドの提出を強要され、とにかくテクニカルなことをいかに簡素化して説明するか、しかも技術がわかっている人にもそれなりに楽しめる内容に・・・と、とにかく中身だけに思いっきり集中していて、スライドの枚数なんて一切気にしていませんでした。通常、プレゼンの練習とか、スピーチのシートを用意したりとか、そんなものは一切しません。とにかく寝る前にイメージトレーニングを繰り返すのが流儀です。ところが、前日ふとスライドの数を数えたら54枚。余計なものをのぞいても50はあります。ってことは1分1枚?? 1時間のプレゼンでも30枚くらいにしているのが、さすがに、毎分1枚というのはたぶん経験がないと思います。この1分というのは本当に微妙です。簡単なポイントであれば30秒でこなすようなこともあります。しかし、話し込み始めたら3分とか簡単にいってしまいます。毎分1枚・・・これで一気に緊張が走りました。たぶん、生まれて初めてプレゼンの事前練習をやったと思います。ベッドで横になりながらも、実際に声を出してやってみます。恥ずかしいなんて言ってられません。まずはいつもの調子でさらっとやってみる。3分の1ですでに30分。サバいっ!手が震えてきました、ホント。そのうちもっと最悪なことに気がつきました。質問時間を10分は用意せよとの主催者側の要求があったわけです。それでなくてもやはり10分くらいは質問にさかないといけないわけですが、じゃ中身は40分?毎分1枚どころの騒ぎじゃないじゃないの?鎮痛剤の興奮と、焦りからくる緊張があい混じって、夜中に一人フィーバーしてました(オヤジがバレバレ)。
とにかく考えました。即席の英語プレゼン術を。まずは完全に話の流れをコントロールしないといけません。そのために、

  1. 冗談、ウケ狙い、余計な例え話は一切禁物。極厳禁!
  2. 「10秒」スライドをきっちりと決め、ほんとうに10秒で次に移る
  3. システムのデモは「事後画面」を用意して、極力クリックやデータ表示は避ける(ちょっとの失敗=プレゼン撃沈となるため)
  4. リモートコントロールの完全利用

まず、冗談禁物はたぶん僕だけのルールでしょうね。好きなんですよ、笑いを取るのが。このためにプレゼンやっているようなもんです。ところが笑いを取ったらまた「替え玉」のように後追いしたくなるもんで、まあ時間の無駄使いったらありゃしません。ということで笑いは厳禁。
「10秒スライド」というのは今回発案。例えスライドにドバーっと書いてあっても、10秒で次にいきます。秘策は次の4点。
1)「そのスライド全体のまとめ的な話をして、決して中身をなめるように話さない」・・・聴衆はスライドを見ながら、自分のまとめの説明を聞くわけですが、はっきり言って同時理解は無理。通常は禁じ手ですが、仕方ありません。
2)前のスライドとの関連が強い場合は、前のスライドですでに中身の一部に触れ、そのスライドに移った瞬間に、So, these are what I just touched upon.(これらが今触れた点です)と言ってさらに次のスライドに移る。内容を飛ばしたということはまずばれない。
3)OK, I'll get back to these points later, so let me move on.(これらはまた後で触れるので、とりあえずは次に進みます)と言う。とても微妙ですが、ほとんどの場合はウソになる。ところが、後になって「あそこで、後で触れるって言ったじゃん」とかクレームがつくことはほとんどないので、中身が薄いスライドについてはこれで対処できる。もちろん本当に後で繰り返しで出てくるようなスライドがあれば、堂々とこれで対処すればよい。
4)「飛ばす」と正直に言う。たとえば、Well, I need to rush, so let me skip this one. But I'll touch some related points later.(えー、急がないといけませんので、このスライドは飛ばして次に行きます。後ほど関連したポイントで触れさせていただきます)など。ポイントは、飛ばすとだけ言わないこと。必ず、「後で触れる」ということ。飛ばすことに不安を感じさせないのがポイント。
これでイケると感じました。最も難しいのが(1)ですね・・・。
「事後画面」というのは、先にアプリケーションを立ち上げ、見せたい場面を事前に用意しておくこと。聴衆の間に重た〜い疑念を生むことは間違いありませんが、一定の信頼を受けている場合は大丈夫でしょう。もちろん「それ、実際に検索してみてくれますか?」というような意地悪な要望が出ても大丈夫なようにしておかないといけません。ですから、これはウソではなく、あくまで準備のひとつということでやらないといけません。Webアプリの場合は、タブをうまく利用して、いくつもセッションを開いて用意しておきます。あとはタブを切り替えるだけです。Client Applicationの場合はちょっと難しいですが、いくつか紹介場面がある場合は、一番面白いところは本当のアプリでやって、あとはスクリーンショットを取ってスライドに張っておきます。そうするとハイライトのところだけアプリを使えばよいので、失敗する確率はかなり抑えられます。この事前画面というのはとにかく失敗を避けることです。Webアプリなんかで、プレゼンやっているときに接続が切れたとか、セッションがexpireしたとか、そんな経験はざらにあります。いったん事故が起きると3分や5分、簡単に吹っ飛んでしまうわけです。これこそが避けなければいけないことなのです。
最後の、リモートを使うということですが、スライドの切り替えで、いちいちマシンに歩み寄っていたら、そこでブレークができてしまいます。これがまた積もると意外に大きい時間ロスとなります。僕は自分でPresentation Mouseというスライド切り替えのリモート機能を持ったマウスを持っているので、これを使っていますが、たまに会場に設置したマシンを使わないといけない場合があります(今回がそう)。そんなときは面倒くさがらずに、リモートを探して(あるいは要求して)、必ず使うようにします。
まあ、こんなことを考えながら2時間はやりました。ほんと必死です。ようやくめどがたち、夜中に寝ました。興奮で眠れないかと思いましが、疲れて逆にぐっすり。さて、本番はどうだったでしょう?これがまたばっちりだったんですね。ウケ狙いを完全に封じ込めたのが成功でした。43分とちょっと出ましたが、質問時間もきちんと用意でき、話もめちゃくちゃスムーズにいきました。実際に声に出して練習するのっていいですね。イメージトレーニングよりははるかに確実にプレゼンを成功に導くことができます。
さて、プレゼン後の聴衆の感想・・・「いや〜すごい量の情報だったね。でも面白かったよ!」。やっぱりスライド多すぎたよね・・・。スライドは2分に1枚のペースで、笑いの一つも取れるような余裕を持って作るのが得策ですね。勉強になりました・・・。