大学受験

ICU(教養)、東京外国語大学(スペイン)、青学(文)、南山(スペイン)、明治(文)

受験した大学である。このうち、青学と南山(と明治だったか……)が残り、本人は家を飛び出したかったので南山と言い張っていたが、ある日、風呂に薪をくべながら(そうである当時はまだ薪で風呂を沸かしていた。いつの時代だ!でも、今では贅沢品だろう)、母が急にやってきて(ちょうど、風呂を沸かす隣に台所があった)「青山の方が名が知られているのでいい」との一言に決心がついた。青山は何となく女子向けだと勝手に理解していた私は、まあいいか、という、あまり考えずに決めたのだが、厚木移転の二期生だったのでちょうど全体の希望者の成績も下がりして合格できたのだろう。

それにしてもICUというのは、やたらに行きたかった大学だが、これもどういうことはない、なんとなくの憧れであった。あの自由奔放な試験問題を見させられた日には、鼻血が出そうになったほどだが、正門に至る(あるいは、からの)並木道の長さには圧倒的に憧れた。でも、ICU卒業生の実質的な活躍ぶりを見させられるにつけ、最近では本当にいい大学なんだろうなと、ずっと以前にキリスト信者になっていなかったことを後悔している。

英語というのは一応頭にあったので、ICUの次だったら外語大かなと思っていた。でも、リスニングの試験を受験しながら、「ああ〜、自分は絶対合格できないな」と考えている自分がいた。リスニング中にである。本来、流れてくる英語音声に集中していなければならないリスニング試験中に「不合格」という音が内耳で音響をたてていた。だから、受かるわけがない。何十年後、とあるきっかけで、外語大の授業を見学し、それはすばらしい学生の質の高さに、合格しても絶対自分は生き残らなかっただろうと安堵のため息をついた。