メディア研究(ケータイ小説)

大学院の博士論文を途中でぽしゃった人間としては後悔続きの今日この頃です。そのときいくつか候補にあったテーマの最強のものがメディア研究と呼べるものでした。私の専攻は人間(スピーチ)コミュニケーションといって、まあ人と人とがどのようにやりとりしあうか、といった、一見単純なものではありますが、これを研究しようとするととんでもないことになるのは、こと、人間に関する話題であれば共通する悩みのようです。

さて、そのメディア研究の中味も最近(特に)日本ではケータイ関係が盛んになっています。私の目下の関心はというと、そうです。「ケータイ小説」です。

ここまで書いて突然疲れが襲ってきたので、追ってご紹介していきますが、社会学者の鈴木謙介氏はケータイ小説を「デジタルな民俗説話」(今年の読売から)と称しています。さすがは新鋭の社会学者だけあって、いいレーベルをつけるものです。今週末には、さほど大きくない日本コミュニケーション学会というのがあり、私は「ケータイ小説のメディア論」というテーマで発表します。そこでは、この鈴木氏の論に、具体的なデータを与えるべく、『赤い糸』(メイ著、ゴマブックス)から抜粋した「声の残滓」なるものを抽出する試みをしています。

こういうのを「オタク」と分類するのでしょうか。まあ、ともかく「オタク」ばんざい!