私家版和英辞典のつくり方

英語で仕事をしていると、「こんな日本語表現はどう言ったらいいのか」と思い悩むことがあります。英語のままでの仕事に慣れる(浸る)とそうでもありませんが、日本語から英語へ変換して考えようとすると、つい「あれっ、これって?」となってしまいます。

そんなとき便利なのが和英辞典。日本語でひけて、それに対応する英語表現があるのですから、誰でも飛びつこうとするのは当たり前でしょう。ところが、和英辞典で残念なのは、対応するだろう表現が実はかなりズレている可能性があることです。文脈を無視して表現がリストされているのが第一の原因で、結局、和英辞典は使えない、となっても、現在のところしょうがない、となります。

では、そんなときにどうすればいいのでしょう。というか、そういった予防策に、私家版和英辞典を作ってみませんか。私家版にした理由は、ご自分こそが何を言いたいのかを知っているからです。これぞ自分だけの自分に最高に役立つ辞典なのです。

「和英、和英」だけが頭の中にあるので、一体どう作ればいいか、はたと困ってしまうのではないでしょうか。なぜって、和英辞典を作るんだから、そもそも自分が言いたい表現を英語でどう言うのかを、どこかで調べなければなりません。インターネットという便利なツールがあるものの、翻訳ツールを使っても、和英辞典以上に酷い表現が得られるだけでしょう。

時間はかかるのですが、そんなときには、ぜひ英→和という作業順序(方向)をお考えください。まず、英語とできるだけ多く接っしようとします。これだけでも副次効果があること間違いなしです。でも今回は、私家版和英辞典を作るのが目的ですので、お忘れなく。英語を読んでいる(聴いている)と、「これってひょっとすると、日本語では●×じゃない」という表現にお目にかかることがあります。英語でおもしろい表現ではなく、あくまで日本語の何かを英語で表現する際に便利、という観点で表現を集めます。下線を引き、先に進むのもいいでしょう。本や雑誌でしたら、ページの角を折っておけば、振り返りの際に探す時間を短縮できます。余裕があれば、日本語を書いておくのは一考です。全体を読み終わってから再度考えてみて、「あれっ?どんな日本語だったっけ」ということにならないからです。まあ、振り返った時に日本語表現を覚えていないようでは、きっと役立たない表現なのでしょうが…

できれば一日に一回、収集した表現を整理しましょう。今やっているように、ブログに書き溜めるのもよし、ノートを使うのもいいです。書き写す作業をすれば、単に読むだけではなく、別の感覚を使って表現が自然に身につくでしょう。一年も続けていれば、立派な私家版和英辞典の出来上がりです。索引は、日本語→英語とすれば和英、その逆に、英語→日本語の順にして、英和辞典にも早代わりとなります。

自分史やブログのように、自分だけ流行の時代です。辞書もぜひご自分の作ってしまうくらいの覚悟で臨めば、その作業をするだけでも使える英語が身につくでしょう。