take the ball for...

「玉がないんだなぁー」というのが正直なところ。何かというと「アイディアがない」ということです。今、英語の間違いを自動的に指摘するという技術を考えていますが、いいのがないんですね。スペルチェックとかグラマーチェックとか、そういった方面での「間違い」じゃないんです。例えば、「選択する」という動詞には何がありますか?selectとかchooseとかですね。では次のはどうです?
Can you pick one from here?
そう、pickだっていいわけです。ところが、文章を書く世界には常にスタイルガイドなる標準があり、そこではpickは使うなと書いてあるわけですね。ではそのルールに従ってpickを使っている場合には警告を出せばいい?それはそうなんですが、問題はその「だめ用語とOK用語」というのはだれが管理するかということです。エディターなるものが毎日、よい例、悪い例を分析して用語集を作ればいいわけですが、実際そんな手間隙はかけていられないのです。そこで、この「使っちゃいけない用語や表現」というのを自動的に学習し、その自動的に習得されたルールに反した書き方をした場合にフラグを立てるというのが今回のアイディアです。みんなが「選択」というときに、一人だけpickを使うようなケースを検知すればよい、と言えば単純ですが、実際にはその間違いのパターン(私は「異端的な書き方」と呼んでいます)というのは相当複雑かつ微妙なところでしょう。用語に対してConcept Spaceというものを数値化する技術はあるのですが、それではあまりに乱暴な解析になって、false positive(ウソの正解)がバリバリでてきてしまいます。精度が低いわけですね。たぶん、真贋検査みたいな方面での技術にもしかしたら使えるものがあるかおもしれません。つまり、書き手のクセというのを浮き彫りにすることで、そのクセがスタンダードとかけはなれていたら、たぶんそれは「だめな用語・表現」である確率が高いというようなノリです。どうなることやら。ところで、本日のお題、ballですが、「玉がない」を、
i don't have balls....
というと、「オレ、根性なしだから・・・」という意味になります(gutsが同義語)から、直訳には注意してください(そんなことはしないか?)。うっかりそういった表現を使いたい場合は、
I don't have a ball to throw. (なげる玉がないんだよね)
と表現すれば、たぶん通じるでしょう。それでも、そのコンテクストとしては、例えば他チームに何か案件を渡すというような、なにかやりとりに関連するようなことでないといけません。気をつけていますが、私はよく使いますね、この表現。このほかに、
Would anyone take the ball for setting up a welcome party for her? (彼女の歓迎会のセット、だれかにやってもらいたいんだけど、手をあげてくれる?)
というと、このtake the ball forというのはvolunteerと同じ意味になります。