〜しておく

このブログは当然まだ知名度が低いので、主に検索エンジンから入ってくるケースが圧倒的に多いです。そのログをみていると、特にキーワードとして目立つのが「英語でプレゼン」です。やはり英語でプレゼンをするコツをみなさん捜し求めているのでしょうね。それと同時に、いろんな表現を英語でさがしているケースも多いです。
先日あったのが、「英語 〜しておく」。つまり、「〜しておく」というのを英語でどう表現するか調べていたのでしょう。もちろんだれがどんな状況で調べていたのかはわかりませんので、もしかすると中学生あたりが英作文の宿題か何かで調べていたかもしれませんが、一般の英語学習者でもこういった日本語の言い回しを直接英語にしたいと考えるのはよくあることです。ただ、こういったときのコツは、「和和作文」をしてみることです。つまり、同じ意味で、他の表現ができないかどうか確かめることです。例えば、
「この行で、コレクションの要素に対して値の型を宣言しておきます」
といった場合、そのままだと「〜しておく」ってなんというのか・・・と悩んでしまいますが、この日本語は、
「この行で、コレクションの要素に対して値の型を宣言します」
と言ってもなんら差し支えない場合がほとんどです。そうであれば、あえて「しておく」などと言う必要はなく、
You declare a value type of collection elements in this line.
と普通に表現すればOKです。いちいち細かい日本語のニュアンスを英語にしようと思っていたら、いつまでたっても口から何も出てきません。ですから、多少はニュアンスを犠牲にしても、伝えたい情報だけをシンプルに表現することのほうが、最初はずっと大切なことです。ですから、日本語から日本語に一度シンプルな表現に言い換えてから、それを英語にすると「話せる幅」が広がるというものです。
それでも、「しておく」というのをどうしても入れたい場合もあります。上記の例では、
「(次のループ処理に入る前に)この行で、コレクションの要素に対して値の型を宣言しておきます」
ステップ的に、「この段階で」という点が重要である場合、「〜しておく」という表現が大切だと考える人がいるかもしれません。もしそれがそんなに重要であれば、「しておく」というような語尾の表現などではなく、はっきりと「この段階で宣言しておくべき」ということをきちんと言わないといけないでしょう。
Before it goes into the loop, you should declare a value type for the collection elements.
プレゼンでもなんでも、うまく英語がスムーズに出てこないという場合、こういった日本語の細かい表現を英語に直そうとしているケースが多いと思います。「この表現は英語で何と言うのか」と考えるのではなく、「言いたいことをシンプルな日本語で表現して、それから英語にしてみる」というトレーニングをしたほうがずっと効果的でしょう。これをやっていくと、いかに日本語の表現に「むだ」が多いかわかります。日本語ネイティブであれば仕方がないのですが、曖昧な表現をたくさん知っているだけに、それを英語に対応させようとすること自体が無理なわけです。今度言葉につまったら、まずは考えている日本語をすっきりさせてから英語にしてみてはいかがでしょう。