walk away, take away

プレゼンテーションは好き嫌いがはっきりするタスクのひとつでしょうね。米国の企業では年に何度か「レビュー」と称して、上司が部下の仕事ぶりをチェックするイベントがありますが、私も今その作業真っ最中です。ここら辺は日本の企業感ではなかなか理解できないかもしれませんが、レビューのごとに部下の人生を真剣に考えるわけです。与えられたタスクをうまくこなせているかどうかをチェックするのももちろんそうなのですが、「いったい君の得意な分野での知識をきちんと生かせるようなプロジェクトをやっているのか」、「これから伸ばしたい知識や技術はなにか」、「そのためにはどのようなトレーニングやら会議やらに行けばいいのか」など。もちろん人によってこのレビューのこなしかたはかなり違うのでしょうが、最低限言えるのは、やはり社員がいかに伸びるかということに集中して方策を考えるということです。自分でも時々不思議に感じますが、できる社員にはやはりどんどんと伸びてもらいたいし、自分のチームにずっといるのではなく、他チームでもどんどん活躍してもらいたいと正直に思うのです。日本では「子飼い」という言葉がありますが、感覚としてはまったく逆なのです。これはたぶん「派閥」というものとまったく逆の発想をしているからなのでしょう。「○○チルドレン」ではないですが、子飼いの部下を手元に”はべらせ”ていても、こっちの会社では通用しないでしょうね。それよりも、自分が育てた社員がいろんな部署で活躍するようになると、自らのネットワークも広がり、それがいろんな可能性につながってくるわけです。
前置きが長くなりましたが(いつものこと?)、そのレビューの中で、ブラジル人の部下に「自分はプレゼンがぜんぜん好きになれない!」と断言されました。確かに彼はうまくないのです。自分はこれとは逆に、人前でマイクを持たせたら何時間でもしゃべっているような人間だから、まさに正反対の感覚なんですね。むずかしいですね、こういったことをどう解決するかというのは。プレゼンのスキルは当然重要なわけで、「じゃあ、やらなくていいよ」とも言えないし、「歯を食いしばってやれ!」と言いつけるわけにもいかず・・・。
さて、プレゼンをやっていて「ここはどうしても理解してもらいたい」というポイントが必ずあります(でないとプレゼンなんてやらないわけですが・・・)。日本語ならさしずめ「ここが重要なところなのですが・・・」などといいますが、英語ではよく、
Important take away here is ....(ここではぜひこの点をおさえておいてください)
Take awayは「持ち去る」ですが、「きとんと理解して去ってください」ということになります。同じように、walk away(歩き去る)という言葉も使います。プレゼンテーションのスライドの最後のほうに、「まとめ」といったようなセクションをよくいれますが、そういった場合には、
Key Take Away
というタイトルをつけるとよいでしょう。