ビジネス英語

ビジネス英語では何を教えるべきか。コンテンツとコミュニケーションに二分できることは容易に想像がつくだろう。コンテンツと言っているのは、ビジネスの中味、つまり、MBAで教えられているような教科とも言い換えられる。「企業財務」、「人的資源管理」、「国際ビジネス」など、あげればきりはないが、基本的なものは「経営学」というもので代表させることができる。コミュニケーションは、実務に関連したe-mailやビジネスレター、プレゼンテーション、交渉といった、ではどのようにビジネスをしていくかを、理論とスキルの両面から解説したものが理想である。

Content-based learningという考え方があるが、コンテンツを紹介しながら英語までをも体得しようとする欲張りなアプローチである。ここで言っているコンテンツとは、さきほどの「経営学」、「企業財務」、「人的資源管理」といった内容重視の科目でしか扱わないような中味を英語を通して学ぶため、その結果、内容も英語で同時にできてしまうという一石二鳥の方法だ。

だが問題はそれほどかんたんではない。教える側にとってコンテンツは多様であり、誰でもがそのコンテンツを専門にしているわけではない点である。特に、このような授業は専門家が担当するのではなく、英語教員が独学で勉強したものを土台に授業内容が組み立てられるので、往々にすると内容的に不備な面があり得る。ただ、英語で授業をおこなうため、多少の不勉強さは隠せてしまうのが実情である。